63年振りの「新しい誕生石」

昨年12月に新しい誕生石が生まれました。63年振りらしいです。
これは全国宝石卸商協同組合(ZHO)が制定したもので、日本ジュエリー協会(JJA)や山梨県水晶宝飾協同組合(YJA)の賛同を得ています。なんだか仰々しい団体の名前が出てきましが、要はコロナで打撃を受けたジュエリー業界復活の願いが込められたものとご理解ください。なお、山梨県は日本のジュエリー生産の中心地で、甲府市を中心に1000社以上の会社があると言われていますが、コロナ禍の影響で仕事が激減し職人さんの技術継承も危ぶまれる困難に直面しているそうです。何とかいい方向に行くことを願うばかりです。

ちょっと深刻な話題になってしまいましたが、今回の新しい誕生石は10石です。これはアメリカ宝石商組合(ジュエラーズ・オブ・アメリカ)が追加した4石の誕生石に日本独自に6石を追加して、計10石の新しい誕生石が生まれました。下の表の赤字が追加された新しい誕生石です。ちなみにアメリカで追加された4石は、6月のアレキサンドライト、8月のスピネル、12月のタンザナイトとジルコンです。



聞きなれない名前が多いと思いますが、今日は7月の誕生石「スフェーン」を紹介したいと思います。

 ●スフェーン
スフェーンはギリシャ語で「くさび」を意味する「スフェノス」からその名がつけられました。チタンを含んでいるので、その成分から鉱物名で「チタナイト」と呼ばれることもあります。
スフェーンは光の分散度が ダイアモンドを凌ぐほど高く、屈折率も高いことから、「金剛光沢」と呼ばれるダイヤモンドにも見られる特徴的な輝き方をする物理的性質を持つ宝石で、ブリリアンス(入射した光が反射して見える白色光線の輝き)やファイア(入射した白色光線が屈折反射することにより分光された虹色の輝き)を伴って煌めく、大変美しい宝石です。