9月の誕生石『クンツァイト』

クンツァイトは1902年にカリフォルニア州の鉱山で発見された比較的新しい天然石です。この石がスポジュメン(スポデューメン)の変種であると発見したのは、有名な宝石店ティファニーの宝石顧問であり鉱物学者のジョージ・フレデリック・クンツ博士でした。博士の名前をとってクンツァイトと名付けられたことがその名の由来です。


クンツァイトの鉱物名スポジュメンは、ギリシャ語で「燃えて灰になる」という意味に由来しており、元々は無色や黄色がかった灰色の石です。ストーン内部のアルミニウムイオンがマンガンイオンに置き換わることで、特有の美しいピンクに発色します。クンツァイトのピンク色は天然のものもあれば、加熱処理や放射線処理により人工的に付けられたり色味を強められているものもあります。しかしいずれの場合にも宝石としての美しさと価値に相違はありません。

クンツァイトには2つの特徴的な性質があります。
1)燐光性(りんこうせい)
これはダイヤモンドのように、太陽の紫外線を当てた後に暗い部屋へ持ち込むと光を放つという特性です。ロウソクのオレンジ色の光や白熱灯のもとで、とりどりのピンク色のグラデーションを見せてくれるクンツァイトはパーティーシーンなどでその場を華やかに彩ったことから「夕べの宝石」とも呼ばれています。
2)多色性
これは見る角度によって表れてくる色味が違うというものです。透明感や色味の濃淡、または色そのものがやや違ったものに見えることもあります。一般的にはテーブル面から見える色が最も綺麗に見えるようなカットをほどこされて宝石となります。

《クンツァイトの石言葉》

「無償の愛」「無限の愛」「純粋さ」「可憐」など。